あなたにはトラウマを思い出してしまうことがありますか?
思い出して泣いてしまうほどのトラウマを持っている人は、心に深い傷を負っています。
トラウマというのは、無防備なときに立ち向かうことも逃げることもできない場面で恐怖に凍りつく反応です。
自分では対処できないトラウマ的出来事を経験してしまうと、それを経験する前と後では脳と身体が変わってしまうとも言われています。
今回はそのトラウマを負った人がどうなるのか?
トラウマを克服するにはどうすればいいか?を具体的に解説していきます。
トラウマと精神疾患
トラウマの定義とは簡潔に言えば「個人が心身に耐えられない傷を負うこと」です。
理不尽な失恋や人間関係の破綻、試験の失敗、会社の倒産などもトラウマに含まれます。
そして精神疾患とも深い関わりがあり社会活動に支障をきたらす方もいます。トラウマを抱えた方がどんな精神疾患になってしまうのか見ていきましょう。
・PTSD(心的外傷後ストレス障害)
PTSDとは、心的外傷後ストレス障害(PostTraumatic Stress Disorder)と呼ばれます。
人が外傷経験に遭い、命を脅かされたりプライドを踏みにじられるような体験(トラウマ体験)をして、その時の強い恐怖感がその後の人生をも支配してしまいます
生活をしていく中で、トラウマ体験を思い出してしまうことをフラッシュバックといいます。
フラッシュバックはトラウマ体験を思い出させるような音・匂い・光・光景・感覚・感情などに対して身体が過敏に拒否反応をしてしまうことであり、そのとき本人は非常に辛い思いをしながら泣きながらも言葉にすることができません。
そしてトラウマに関係のある人物や場所を避けようとします。(回避行動)
自分を守るために同じような体験に遭遇することを恐れて、家から出られなくなってしまうことも少なくありません。
・急性ストレス障害(ASD)
急性ストレス障害とは、非日常的な外傷経験に遭遇し、先ほどお伝えしたようなフラッシュバック・回避行動などの症状が現れることをいいます。
トラウマを原因としてあらわれるストレス障害という点ではPTSDと同じですが違う点があります。それは、症状が現れる期間の長さです。
ASDは数日から4週間以内に症状が軽減され、回復して消えていくのに対しPTSDは症状が4週間以上経っても改善されない場合に診断されます。
・パニック障害
「パニック」という言葉は日常でよく使われる言葉かもしれませんが、「パニック障害」のパニックとは日常でありふれたものではありません。
パニック障害とは「このまま死んでしまうのではないか」といった激しい恐怖感と不安が突然に起こるパニック発作という病気です。
パニック障害は幼少期にトラウマを抱えているとか、虐待や性被害といった外傷経験などによって長期にわたって生活環境にストレスが多い方がなりやすいです。
パニック発作が起こると強い緊張感・激しい動悸・めまいや立ちくらみ・意識が朦朧とする、呼吸ができないといった本当にたくさんの症状が一気に表れ動けなくなってしまいます。
そしてそれはある場面でストレスがかかるとき、緊張感が強まるとき、嫌なものを避けられないときに起こります。その理由は、幼少期のトラウマによって自律神経が不安定な方は交感神経にスイッチが入りパニック発作が起きてしまうのです。
一度パニック発作を経験した方は「またあの体験をしたらどうしよう」とトラウマになってしまい、パニック発作が起きた場所・空間を避けるようになります。
その点はPTSDと共通しているとみられます。
トラウマを克服するには?
トラウマを克服するということはなかなか難しいことかもしれません。
ですが、やれることはあります。その3つを説明します。
・フラッシュバックが起きた時の気持ちと状況をメモする
メモをすることによってフラッシュバックをしにくい環境を作ることができます。
これをできる範囲で続けていき、フラッシュバックの回数を減らしていきます。
・心を許せる人に話を聞いてもらう
家族でも友人でも、知り合いに話しにくいならカウンセラーでも構いません。
人に話すことでスッキリした気持ちになるからです。
・「忘れる」をやめる
「忘れなきゃ」と思っているほど忘れられないもので、そして忘れられない自分を責めてしまいがちです。
忘れる行為そのものがプレッシャーになり負担になってしまうので、「忘れる」のはやめましょう。
ゆっくりでいいのです。辛いと思いますが、まずは環境を整えてゆっくりやってみて、辛いときは泣いてもいいのだとわたしは思います。
この記事を読んで1人でも救われる人がいればとても嬉しいです。
優しい世界であることを祈っています。
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